平成14年度年報発刊のご挨拶
過ぎてみれば、まさに黄梁一炊夢のごとく、1年間も一瞬で、はや平成14年度年報発刊の時期となりました。
本院の各部門における1年間の業績のまとめとして年報発行を開始しまして、4年目になります。
最近、種々の分野におきまして、自己評価および第三者によります外部評価を行い、過去の実績を費用対効果を含め、十分検証しつつ将来の方向性を見つけていくことは基本となりつつあります。このように大きく変化する時流のなか、業績検証及び記録と保存の重要性はさらに認識されてきております。
さて、現在の医療のKey Factorは医療の安全・信頼、質の向上にあると考えます。そのことを念頭におきまして、平成14年度に取り組んだ本院の最大プロジェクトは日本医療機能評価機構による認定取得でした。平成14年5月から、実に23 回の委員会を開催して、病院発展に向けた改善に取り組みました。そのなかから、医療の質向上に対する意識改革と行動がたくさんうまれました。すなわち、従来の基本理念の具体化として、基本方針、さらに患者憲章の策定を行うなど、各部所横断的に全職員一丸となって、精魂込めた認定取得へのあついおもいから様々な成果をあげたと思っております。
また、14年度には院外処方箋の完全実施、当地域の特殊性にあわせた病棟の活用を目的に病棟再編もおこないました。平成14年度には大幅な診療報酬制度改定も行われましたが、入院患者さんの増加もあり、その影響を最小限にとどめることができました。
本年報をご覧頂くとわかりますように、これらはすべて、職員の皆様がそれぞれの部門で地域に根ざす病院づくりに獅子奮迅された努力の結果だと深甚の敬意を表すものであります。
最後に本年報の編集に多大のご協力をいただきました庶務係並びに木佐貫医長にあつくお礼申し上げます。
平成15年8月吉日
病院長 柴田紘一郎
第1章 病院の概要
1. 病院の概要
所在地 | 日南市木山1丁目9番5号 | |
---|---|---|
開設年月日 | 昭和23年9月1日 | |
現施設新築年月日 | 平成10年2月24日 | |
診療科目 | 内科、心療内科、精神科、神経内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科 (計16診療科、内心療内科・精神科及び整形外科・リハビリテーション科は兼任) | |
許可病床数 | 一般336床、感染症4床、合計340床 | |
診療報酬 |
一般病棟入院基本料Ⅰ郡入院基本料2(2.5対1看護、平成14年10月1日から) 10対1看護補助加算(平成14年10月1日から)等 |
|
施設の規模 | 土地 | 36,046.23㎡ |
建物 | 23,400.89㎡ | |
駐車場 | 外来: 283台 職員: 233台 |
診療日案内
- 受付時間
新患(はじめての方) 午前8時30分から午前11時まで
再診(2回目以降の方) 午前8時30分から午前11時まで
※予約の方は、その曜日・時間に
但し、皮膚科のみ木曜日の受付は午前8時30分から午前9時30分まで - 急患はいつでも受け付け
- 土曜日・日曜日・祝日及び年末年始(12月29日から1月3日)は休診
組織
職員数
(平成14年7月1日現在)
[医療部門] | 74人 | |
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医師 | 34人 | |
薬剤師 | 7人 | |
放射線技師 | 8人 | |
臨床検査技師 | 9人 | |
その他の医療技術者 | 6人 | |
臨床研修医 | 10人 | |
[看護部門] | 224人 | |
看護師 | 211人 | |
看護補助員 | 13人 | |
[給食部門] | 15人 | |
管理栄養士 | 4人 | |
技術員 | 11人 | |
[管理部門] | 19人 | |
事務員 | 17人 | |
技術員 | 2人 | |
[合計] | 332人 |
2. 病院事業の執行状況及び事業実績
本院は、日南串間医療圏域における中核病院として、また、公的医療機関として高度化、専門化する地域住民の医療ニーズに応えるため診療内容の一層の充実や質の高い医療サービスの提供に努めてきた。
平成14年度の患者の状況は、新たな血液内科医の配置により入院患者が過去最高だったものの、薬剤の長期投与制限の原則廃止等により外来患者は大幅に減少した。
経営状況は、収益面では、初めての診療報酬のマイナス改定や院外処方が大きく影響し、医業収益が前年度に比べ7.7%の減少となった。
費用面では、院外処方が全診療科で実施されたことにより薬品費が大幅に減少したものの、退職給与金が増加したことにより、医業費用が前年度に比べ4%の増加となった。
また、本院の医療に対する対外的な評価を一層高めるため、(財)日本医療機能評価機構による病院機能評価を受審した。認定に向け職員が一丸となって取り組んだことにより、病院機能の充実が図られ、職員の意識改革の面でも効果が見られた。
(1) 患者の状況
区分 | 14年度 | 13年度 | 増減 |
---|---|---|---|
延入院患者数 | 108,715人 | 106,328人 | 2,387人 |
(一日当たり) | (298人) | (291人) | (7人) |
延外来患者数 | 171,135人 | 175,630人 | -4,385人 |
(一日当たり) | (699人) | (716人) | (-17人) |
病床利用率 | 87.6% | 85.7% | 1.9ポイント |
平均在院日数 | 22.7日 | 23.0日 | -0.3日 |
(2) 医療器械の整備状況
平成14年度は心機能評価超音波診断装置、顕微鏡下手術支援用内視鏡など61件の整備を行った。
(3) 診療の状況
手術件数 | 3,945件 | |
分娩件数 | 361件 | |
解剖件数 | 4件 | |
放射線件数 | 318,360件 | |
人工透析件数 |
実患者数 延透析回数 |
55人 2,463回 |
人間ドッグ受信者数 | 108人 | |
理学療法件数 |
延件数 一日当たり |
27,480件 112件 |
臨床検査件数 |
入院 外来 |
451,675件 858,157件 |
調剤件数(実剤数) |
入院 外来(院内調剤) 外来(院外調剤) |
52,607件 11,611件 258,718件 |
(延剤数) |
入院 外来(院内調剤) 外来(院外調剤) |
315,702件 65,950件 4,346,803件 |
給食の状況 |
延食数 一日当たり 一回当たり |
267,943食 734食 245食 |
3. 院内の主な行事
(1) 定例会
- 病院運営会議(毎月第1・第3月曜日 応接室)
- 病院あり方プロジェクト(随時 第1会議室)
- 医局会(毎月第4水曜日 講堂)(14年12月から第3水曜日に変更)
- 診療科代表者会議(毎月第4木曜日 講堂)
- 臨床懇話会(毎月第2・第4木曜日 地域医療室)(14年12月から第3水曜日、講堂に変更)
- 事務部役職会(毎週水曜日 第1会議室)
- 院内感染症対策委員会(毎月第2木曜日 第1会議室)
- リスクマネージメント部会(毎月第2金曜日 第1会議室)
- 薬品委員会(毎奇数月第4木曜日 講堂)
- 病院機能評価認定証取得検討委員会(随時 第1会議室)
- 師長会議(毎月第1・第3火曜日 看護科)
- 主任会(毎月第1金曜日 第2会議室)
- 教育部会議(毎月第2火曜日 第2会議室)
- 看護記録検討委員会(毎月第4木曜日 第2会議室)
(2) 主な行事
14年4月
- 辞令交付式(1日 講堂)
- 2002年「広島東洋カープ」サイン展(1日~12月20日 エントランスホール)
- 平成14年度当初予算及び平成13年度決算説明会(15日 県電ホール)
- 平成14年度福祉保健部全体所属長会議(17日 第一宮銀ビル)
14年5月
- 日南地区官公庁連絡協議会(8日 ホテルシーズン日南)
- 「看護の日」ナイチンゲール像、花飾り(9日~15日 エントランスホール)
- 平成13年度決算ヒアリング(14日、県庁南別館)
- 南那珂地方行政懇談会(24日 ホテルシーズン日南)
- 監査事務局監査(30日~31日 第1会議室)
14年6月
- 県立病院経営改善検討会議(6日、県庁南別館)
- 監査委員監査(11日 第1会議室)
- 第1回ハーモニカコンサート(20日 3階東病棟)
- 第1回宮川章子氏「ちぎり絵」展(24日~7月31日 東側入口通路)
- 消防訓練(25日~28日 院内)
- 七夕飾り(27日~7月7日 エントランスホール)
14年7月
- 院内感染防止対策研修会(3日 講堂)
- 「宮崎国際音楽祭」記録写真展(4日~22日 エントランスホール)
- 県知事職員表彰(5日 宮崎厚生年金会館)
- 4県立病院レクリェーション大会(6日、県武道館)
- 九州地区自治体病院栄養・調理部門研修会(12日 第2会議室)
- ふれあい看護体験の日(25日 講堂)
- 南睦会総会(30日 講堂)
14年8月
- 第2回宮川章子氏「ちぎり絵」展(26日~11月30日 東側入口通路)
- 南那珂地方行政懇談会(29日 南郷ハートフルセンター)
- 平成15年度当初予算編成方針説明会(29日 県電ホール)
- 県立病院事務系分科会(29日 県電ホール)
14年9月
- 南那珂地方行政懇談会(2日 サンチェリー北郷)
- 日南串間保健医療推進協議会(3日 日南保健所)
- 地元選出県議会議員との意見交換会(5日 ホテルシーズン日南)
- 県立病院技術系分科会(5日 県電ホール)
- 全国自治体病院協議会宮崎県支部総会(6日、県立宮崎病院)
- 福祉保健部全体所属長会議(25日 県庁第2東別館)
- リスクマネージメント研修会(28日 講堂)
14年10月
- 県議会厚生常任委員会決算審査委員会(3日 講堂)
- 新穂利宏氏「第2回そこへんたいのスケッチ展」(8日~11月8日 エントランスホール)
- 九州各県県立病院課長会議視察(11日 第1会議室)
- 平成15年度当初予算要求総括ヒヤリング(11日 県庁南別館)
- 第2回ハーモニカコンサート(22日 4階東・西病棟)
- 県立病院事務局長会議(29日 県庁南別館)
14年11月
- 県立病院経営改善現地分析会議(6日 第1会議室)
- 南那珂地方行政懇談会(11日 日南総合庁舎)
- 第4回県立日南病院祭(17日 院内)
- 南睦会文化祭(17日~18日 講堂)
- 医療監視(18日 講堂)
- 日南市休日夜間急病センター運営協議会(19日 ホテルシーズン日南)
- 日南保健所運営協議会(22日 日南保健所)
- 日南市政記者クラブ等との意見交換会(28日 管内)
14年12月
- 南睦会交流会(13日 ホテルシーズン日南)
- 県立日南病院クリスマスコンサート(20日 エントランスホール)
- 仕事納め式(27日 講堂)
15年1月
- 仕事始め式(6日 講堂)
- 日南地区官公庁連絡協議会(28日 ホテル丸万)
15年2月
- 生活習慣病パネル展「肥満」(3日~16年3月31日 エントランスホール)
- 第3回宮川章子氏「ちぎり絵」展(4日~8月1日 東側入口通路)
- 新医師臨床研修制度協議会(7日 県医師会館)
- 2003年「広島東洋カープ」サイン展(14日~12月20日 エントランスホール)
- 日南串間保健医療推進協議会(25日 日南保健所)
- 病院機能評価機構訪問審査(28日 講堂)
15年3月
- リスクマネージメント研修会(4日 講堂)
- 経営改善検討委員会(11日 講堂)
- 院内感染防止対策研修会(11日 講堂)
- 総合防災訓練(12日 講堂)
- TQM活動成果院内発表会(14日 講堂)
- 長友高弥氏寄贈絵画「母と子-ランス大聖堂にて」展示(17日~ エントランスホール)
- TQM活動成果全体発表会(26日 県庁第2東別館)
- 県立病院経営改善検討会議(28日 県庁南別館)
4. 院内各種組織(平成14年度)
名称 | 構成員 | 目的 | 開催回数 |
---|---|---|---|
病院運営会議 | 院長、医局長、副医局長、事務局長、事務次長、薬剤長、総看護師長 | 病院の管理運営の基本方針及び重要事項について審議する。 | 19 |
医局会 | 全ての医師 | 医師の連帯を図る。 | 10 |
診療科代表者会議 | 院長、医局長、副医局長、各診療科代表者、事務局長、事務次長、薬剤長、総看護師長 | 各科相互の情報交換を行い連携を図るとともに、病院職員間の意思疎通を図る。 | 12 |
事務部役職会 | 事務局長、事務次長、総看護師長、事務局各係長 | 事務局及び看護科の情報交換を行い連携を図る。 | 51 |
倫理委員会 | 院長、診療科医師、事務局長、総看護師長、院外の学識経験者 | 院内で行われる医療行為及び医学の研究が倫理的、社会的観点から推進されるよう、その内容を審査する。 | 1 |
院内顕彰委員会 | 病院運営会議と同じ | 院内職員及び団体が患者サービス及び院内活性化に顕著な活動、業績をあげたときに表彰を行う。 | 1 |
経営改善検討委員会 | 院長、診療科医師、医局長、薬剤科、臨床検査科、放射線科、リハビリテーション科、看護科、事務部門 | 経営改善を図るための各種対策について審議する。 | 1 |
患者サービス検討部会 | 医師、看護科、各部門代表、事務部門 | 院内・院外環境の改善、外来患者の待ち時間短縮、職員の接遇研修等を検討する。 | 1 |
診療報酬請求等検討部会 | 医師、薬剤科、看護科、事務部門 | 請求漏れ防止策、査定減対策等の検討を行う。 | 1 |
費用節減検討部会 | 医師、薬剤科、看護科、各部門代表、事務部門 | 材料費、経費等について費用節減策を検討し、病院経営の改善に資する。 | 1 |
未収金対策等検討部会 | 看護科、事務部門 | 未収金の発生防止対策をたてるとともに、発生した未収金の早期回収の諸方策を検討する。 | 2 |
広報編集委員会 | 診療科医師、事務次長、薬剤科、臨床検査科、看護科、庶務係長 | 地域住民に信頼され親しまれる医療機関を目指すとともに、地域医療レベルの向上に貢献するため広報について協議する。 | 2 |
外来ボランティア運営委員会 | 事務次長、副総看護師長、看護科、医事係 | ボランティア活動の場を提供することにより患者サービスの向上、病院のイメージアップ、地域に開かれた病院を目指す。 | 1 |
医療機器等機種選定委員会 | 院長、事務局長、事務次長、医事課長、用度係長、診療科代表、看護科代表、購入予定部門代表 |
医療機器等の適正な購入を図る (300万円以上) |
2 |
院内感染症対策委員会 | 院長、診療科医師、臨床検査科、薬剤科、看護科、事務部門 | 院内における感染症を予防し健康管理を図る。 | 12 |
臨床検査委員会 | 診療科代表医師、臨床検査科、看護科、事務部関係者 | 臨床検査業務の院内での有効活用に関する協議を行う。 | 1 |
輸血療法委員会 | 診療科代表医師、臨床検査科、薬剤科、看護科、事務部関係者 | 輸血に関する事項を審議する。 | 3 |
放射線安全委員会 | 診療科医師、放射線科、看護科、事務部門 | 放射線障害の発生を防止し、あわせて公共の安全を確保する。 | 1 |
手術室運営委員会 | 各診療科代表、手術室看護師長 | 手術室の運営、改善及び手術(麻酔)の予定作成について検討する。 | 3 |
集中治療室運営委員会 | 集中治療室室長、診療科医師、集中治療室、看護師長、主任看護師 | 集中治療室での患者管理が安全かつ適正に行うことについて検討する。 | 2 |
褥瘡対策委員会 | 皮膚科医師、副総看護師長、看護科、薬剤科、栄養管理係、医事係 | 褥瘡の予防を図るとともに、できた褥瘡を悪化させないための検討を行う | 8 |
栄養管理委員会 | 内科部長、外科・小児科医師、総看護師長、各病棟看護師長、看護補助員、事務部関係者 | 栄養管理業務の円滑な運営を図るため、研究、協議し、意見を院長に具申する。 | 1 |
医療事故防止対策委員会 | 診療科部長・医長、臨床検査科医長、薬剤長、放射線科技師長、総看護師長、事務局長、医事課長 | 院内における医療事故を防止し、安全かつ適切な医療の提供体制を確立する。 | 4 |
リスクマネージメント部会 | 医師、事務次長、看護科、薬剤科、臨床検査科、放射線科 | 医療事故防止対策を実効あるものにするため、事故の原因分析や事故防止の具体策等について調査・検討を行う | 7 |
医療ガス安全管理委員会 | 診療科医師、薬剤科、看護科、用度係長、整備係長 | 医療ガス設備の安全管理を図り、患者の安全を確保する。 | 1 |
入退院委員会 | 診療科医師、副総看護師長、看護科、会計係長、医事係長 | 患者の入退院に関する事項を検討し、円滑な入退院ができるように検討・提言する。 | 3 |
診療録管理保管委員会 | 診療科医師、看護科、中央カルテ室、医事係 | カルテの管理に関し、法令等で定めるもののほか、必要な事項を定める。 | 2 |
地域医療連携委員会 | 診療科医師、薬剤科、看護科、医事係 | 地域医療の連携を推進することにより、患者サービスの向上に努める。 | 1 |
図書委員会 | 診療科医師、副総看護師長、薬剤科、臨床検査科、放射線科、リハビリテーション科、看護科、庶務係長、用度係長 | 図書室の適正な運営と図書室の充実を図って職員の資質向上に寄与する。 | 2 |
安全衛生委員会 | 院長、医局長、事務局長、事務次長、総看護師長、組合推薦委員、庶務係長 | 職場における職員の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する。 | 3 |
防災対策委員会 | 診療科医師、事務局長、整備係長 | 防災知識の向上と訓練を通じて、職員、患者の安全を確保する。 | 1 |
薬品委員会 | 診療科代表医師、事務局長、薬剤長、総看護師長、医事課長 | 薬品の採用等に関する事項を審議する。 | 6 |
治験審査委員会 | 診療科部長、医局長、事務局長、薬剤長、総看護師長、放射線科技師長、臨床検査科技師長、外部委員 | 医薬品の臨床試験の実施可否等を審議する。 | 1 |
病院機能評価認定証取得検討委員会 | 院長、院内各部門代表者 | (財)日本医療機能評価機構が発行する病院機能評価認定証を取得する。 | 23 |
献立検討委員会 | 栄養士、調理師 | 献立内容と食器等について検討する | 12 |
サプライ業務連絡会議 | 副総看護師長、手術室師長、中央材料室師長、用度係長、診療材料担当、看護補助員、サプライセンター主任 | 診療材料の院内物流業務に係る日常の問題点の協議、部署間の連絡を行う | 6 |
師長会議 | 総看護師長、副総看護師長、看護師長 | 看護管理上の施策・方針を協議し決定する。 | 23 |
主任会議 | 総看護師長、主任看護師 | 看護師長を補佐し主任としての役割について情報交換・検討を行う。 | 11 |
教育部会議 | 副総看護師長、看護師長、主任看護師 | 看護職員の資質向上と業務に対する意欲の高揚を図る。業務内容の充実を図るための教育・研修を計画、実施する。 | 11 |
看護業務改善委員会 | 看護師長、主任看護師、各部署看護師 | 業務の改善、看護サービスにつながる事柄を協議・検討し、見直した結果を看護科等に答申する。 | 11 |
臨床実習指導者会 | 副総看護師長、臨床指導者、各学院教務 | 看護学生の臨床指導の向上及び指導者の研鑽に努める。各学校との連絡、調整を行う。 | 11 |
看護手順委員会 | 看護師長、主任看護師、各部署看護師 | 看護手順、看護基準の検討と見直しを行う。 | 11 |
看護記録検討会 | 看護師長、主任看護師、各部署看護師 | 看護記録のあり方を検討し、記録を充実させ看護の質の向上を図る。 | 11 |
看護研究委員会 | 教育担当師長、主任看護師、各部署看護師 | 看護現場の問題を研究的視点でみることにより、創造的に解決する。 | 11 |
接遇委員会 | 副総看護師長、看護師長、主任看護師、各部署看護師 | 温かく良質な看護サービスができるように、看護の視点で接遇をとらえる | 11 |
感染看護研究会 | 副総看護師長、研修参加看護師 | 院内感染防止のための啓蒙活動を行うとともに必要時に院内感染症対策委員会へ提言する。 | 11 |
緩和ケア看護研究会 | 副総看護師長、研修参加看護師 | 緩和ケア研修で学んだ知識・技術を実践の場で活かし、緩和ケアの充実を図る。 | 11 |
ストーマ・スキン看護研究会 | 副総看護師長、研修参加看護師 | ストーマ・スキン研修で学んだ知識・技術を実践の場で活かし、褥瘡予防に関する指導、助言をする。 | 11 |
5. 病院機能評価取得に向けての取り組み
当院の現状の客観的把握、そして病院機能改善を通じての医療の質の向上、患者さんの満足度向上を目的として、(財)日本医療評価機構の行う病院機能評価事業への取り組みを行った。多方面にわたる改善活動が実践され当院の機能改善等に大きく寄与したが、さらなる改善の必要があると評価された。平成15年度も病院一丸となって継続して機能向上に取り組んでいく予定である。
認定取得への取り組み状況
2001年 | 秋 | 次年度の事業として病院機能評価を受審することを決定、予算要求化。 |
---|---|---|
2002年 | 3月 | 平成14年度予算成立に伴い、病院機能評価受審申込。 |
4月30日 | 認定病院視察(鹿児島県立北薩病院)4名(木佐貫、斉藤、前田、松野) | |
5月8日 | 第1回病院機能評価認定証取得検討委員会開催 委員会メンバー25名 以後、2003年3月まで23回委員会を開催(下記委員会開催実施参照) | |
5月24日 | 病院機能評価機構受審病院説明会出席(東京都)2名(木佐貫、前田) | |
10月17日 | 第1回意見交換会 | |
10月末 | 書面審査書類提出(送付) | |
2003年 | 1月20日 | 宮崎医科大学視察(木佐貫、斉藤、前田、事務局各係長、神園) |
1月20日 | 古賀総合病院視察(伊藤、各看護師長) | |
1月31日、 2月4日 |
第1回リハーサル(診療、看護、事務部門) | |
2月12日 | 第2回意見交換会 | |
2月19日 | 第2回リハーサル | |
2月28日 | 訪問審査受審 | |
5月20日 | 結果受領(認定留保) |
委員会開催実績
回数 | 開催日・場所 | 主な討議内容 |
---|---|---|
第1回 |
5月8日(水)16:00~17:15 第一会議室 |
委員確認、手順・日程スケジュール、北薩病院視察(4月30日)報告 |
第2回 |
5月29日(金)16:00~17:20 第一会議室 |
病院評価機能受審病院説明会(5月24日)報告、自己評価票検討(第1領域) |
第3回 |
6月19日(水)16:05~18:10 講堂 |
書面審査票検討(施設基本票、部門別調査票、経営調査票) |
第4回 |
7月10日(水)16:05~17:35 第一会議室 |
書面審査票検討(施設基本票、部門別調査票)、自己評価票検討(第2領域) |
第5回 |
7月23日(火)16:05~17:35 第一会議室 |
書面審査票・病院現況票検討(前回不足分)、自己評価票検討(第2・第3領域)、ワーキンググループ設置(診療録、院内掲示) |
第6回 |
8月7日(水)16:05~17:30 第一会議室 |
診療録WG・院内掲示WG活動報告、書面審査票・病院現況票検討(前回不足分)、自己評価票検討(第3・第4領域) |
第7回 |
8月28日(水)16:05~17:30 第一会議室(懇親会あり) |
今後の委員会スケジュール、院内掲示WG活動報告、自己評価票検討(第4・第5領域) |
第8回 |
9月11日(水)16:05~17:25 第一会議室 |
診療録WG最終報告、院内掲示WG活動報告、病院機能評価問題リスト作成、自己評価票検討(第4/第5領域) |
第9回 |
9月25日(水)16:05~18:00 第一会議室 |
意見交換会準備、自己評価票検討(第5/第6領域) |
第10回 |
10月9日(水)16:05~17:40 第一会議室 |
意見交換会準備、院内掲示WG活動報告、入院案内WG活動報告、書面審査票修正(施設基本票、部門別審査票)、自己評価票(第1・第6領域の一部)最終確認 |
第11回 |
10月16日(水)16:10~18:00 第一会議室 |
意見交換会準備、書面審査票及び自己評価票(第2~第6領域)確認(特に未確認の、主に小項目b、c) |
第12回 |
10月23日(水)16:10~17:30 第一会議室 |
意見交換会(10月17日)報告、院内掲示WG・入院案内WG報告、書面審査票・自己評価票最終確認 |
第13回 |
11月6日(水)16:40~17:20 第一会議室 |
経過報告、今後の活動予定、外来待ち時間調査結果報告、入院案内WG報告 |
第14回 |
11月20日(水)16:05~17:25 第一会議室 |
患者憲章について、院内掲示WG活動報告、入院案内見直し、地域連携に関して、各部門における問題点の確認・改善活動、各種書類の準備、確認 |
第15回 |
12月11日(水)16:05~17:20 第一会議室 |
書面審査票の再チェック、院内掲示WG活動報告、各領域における問題点改善活動・進行状況、入院案内見直し、地域連携に関して、各種書類準備確認について、宮崎医大現地訪問審査報告(11月26日)、訪問審査準備 |
第16回 |
1月8日(水)16:05~17:40 第一会議室 |
前回委員会後の経過報告、院内掲示WG活動報告、入院案内作成状況、各領域における問題点改善活動・進行状況、各種書類の準備確認、訪問審査準備 |
第17回 |
1月24日(金)16:10~17:20 第一会議室 |
訪問審査日通知、視察(宮崎医大、古賀総合病院)報告、院内掲示WG活動報告、入院案内・紹介受診の手引き作成状況、各領域における問題点改善活動・進行状況、各種書類の準備確認、訪問審査準備 |
第18回 |
1月29日(水)16:10~17:40 第一会議室 |
訪問審査日・訪問審査日までのスケジュール、入院案内(最終稿)確認、各領域における問題点の改善活動・進行状況、院内掲示WG活動報告、各種書類の準備・確認状況、意見交換会スケジュール |
第19回 |
2月5日(水)16:05~17:10 第一会議室 |
リハーサル(第1回目)報告、訪問審査日スケジュール、訪問審査資料(日南病院の考え方)検討、各領域における問題点の改善活動・進行状況、意見交換会のスケジュール、第2回総合リハーサル(領域別部署訪問)、機能評価委員会規程 |
第20回 |
2月21日(金)16:05~18:05 第一会議室 |
意見交換会(2月12日)報告、第2回総合リハーサル(2月19日)報告、訪問審査資料(日南病院の考え方)検討、各領域における問題点の改善活動・進行状況、当日の準備、合同面接・領域別面接リハーサル |
第21回 |
2月26日(水)16:00~17:30 第一会議室 |
各領域における問題点の改善活動・進行状況、訪問審査資料(日南病院の考え方)検討、当日の準備、訪問審査記録作成について |
第22回 |
3月7日(金)16:05~16:50 第一会議室 |
訪問審査日(2月28日)反省、病院機能評価機構書面送付、訪問審査記録作成について、訪問審査で明らかになった問題点、今後のスケジュール |
第23回 |
3月28日(金)16:05~16:40 第一会議室 |
病院機能評価機構書面送付、訪問審査記録作成について、訪問審査問題点、評価改善事項のまとめ、今後のスケジュール |
機能評価ワーキンググループ活動
病院機能改善にあたり、重要な問題に関して別途ワーキンググループ(WG)を委員会内に設け問題解決に取り組んだ。
- 診療録WG(メンバー6名 代表:木佐貫医長)
当院の診療記録に関する経緯・現況などをまとめ、その問題点・改善すべき項目をまとめたWG報告書(本文6ページ、資料21ページ)を作成した。これらの成果は、診療記録管理委員会引き継がれている。 - 院内掲示WG(メンバー7名 代表:新穂整備係主幹)
院内外の掲示を実際に調査したり職員アンケートを通じて、問題点を抽出し、わかりやすい掲示を目標に改善活動をおこなった。約150個所について検討を行い整備係を中心にほとんど解決した。 - 入院案内WG(メンバー4名 代表:野元・海野主任看護師)
入院案内の内容が古く現況にそぐわなかったため、他院の入院案内なども参照にして新しく入院案内を作成した(平成15年2月完成)。
機能評価に関する説明会
- 時間: 17:30~(約60~90分程度)(10月23日を除く)
- 説明者: 木佐貫 篤(機能評価委・副委員長)
- 主な説明: 機能評価の考え方、当院の抱える問題点と対応・対策、当院の自己評価、など
日時 | 場所 | 対象部署 | 参加者数 |
---|---|---|---|
2002年 9月18日 |
第2会議室 | 4東・NICU | 21名 |
10月1日 | 第2会議室 | 看護科主任会 | 22名 |
10月23日 | 講堂 | 医局 (医局会にて概要説明) | 30名 |
11月12日 | 講堂 | 6東・6西 | 24名 |
11月29日 | 講堂 | 5東 | 15名 |
2003年 1月17日 |
講堂 | 外来、事務 | 27名 |
1月22日 | 臨床検査科 | 臨床検査科 | 10名 |
1月22日 | 講堂 | クラーク(外来、医事、カルテ庫)、売店、事務 | 20名 |
2月4日 | 講堂 | サプライ、ベッドセンター、中央材料室、事務 | 25名 |
2月6日 | 講堂 | 看護科、薬剤科、医師、他 | 42名 |
広報誌「病院機能認定証取得検討委員会だより」の発行
『みんなで一丸』を合い言葉に、全職員(含委託職員)向けに発行し、機能評価に関する情報浸透をはかった。
- 第1号 5月中旬発行
- 第2号 6月14日発行
- 第3号 6月28日発行
- 第4号 8月15日発行
- 第5号 11月14日発行
- 第6号 1月30日発行
- 第7号 2月26日発行
- 第8号 3月5日発行
明らかになった改善すべき主な問題と改善への取組状況(一部平成15年度分含む)
(第1領域 病院の理念と組織的基盤)
改善すべき問題点 | 改善活動への取り組み | |
---|---|---|
1 | 病院の理念、基本方針が確立していない、患者の権利を尊重する方針が不明確 | 病院の理念を見直し、基本方針・患者憲章を新たに定めた。院内各部門に提示し、患者家族へ案内すると共に、職員へは周知徹底。 |
2 | 病院の中長期計画がない | 現在策定作業中(平成15年度策定予定)。 |
3 | 組織図に独立した診療録管理部門・医療相談室がない | 院内組織構図の見直しで新設(院内措置)。 |
4 | 各種委員会の活動状況や委員が明確でない | 各委員会を見直し必要な委員会を新設。規定規約が不明確な委員会は明確にした。 |
5 | 各種活動期記録がない(委員会、カンファレンス、その他) |
諸活動に際し、なるべく記録を残すよう改善。 年報内容の充実(各種実績の把握、掲載) |
6 | 病院職員への教育研修体制がない | 平成15年度から教育研修委員会を新設し、講演会など必要な各種教育研修の機会を設けていく。 |
(第2領域 地域ニーズの反映)
7 | 自院の診療機能を地域へ周知していない | 「日南病院診療の手引き」を作成し、地域全医療機関へ配布。広報活動の充実化(「病院だより」の内容・配布先見直し、ホームページの立ち上げ) |
---|---|---|
8 | 地域との連携体制が不十分(地域医療連携室がない、他病院への紹介数・他病院からの受入数などが不明など) |
紹介受入患者のデータ収集開始(平成14年9月~) 地域連携委員会の立ち上げ 地域連携/医療相談室新設(平成15年4月):退院相談、看護相談、連携手続き等 |
9 | 救急室の運営状況、救急体制が不十分 | 救急室運営規則、救急患者受け入れ手順(フローチャート)作成。救急カートの内容チェック開始(チェックリスト記入方式)。救急統計データの見直し(平成15年8月~) |
10 | 医療相談室が充実していない(マニュアルがない、有資格者(Medical social worker,MSW)が不在、等) |
医療相談室の業務マニュアル作成・見直し 個人相談別個票の作成 平成15年度から医療相談室を地域連携室と併設し充実。MSW配置は県へ要望していく |
(第3領域 診療の質の確保)
11 | 各診療科の診療実績・成績がまとめられていない | 診療実績・成績を年報に掲載(平成14年度~) |
---|---|---|
12 | 診療指針などの医療の質の保証が不明確(パスの普及が不十分など) |
院内クリニカルパス研究会の開催(14年12月~) 各診療科のパス・診療指針をまとめて状況把握 |
13 | 診療記録の管理体制が不十分。(委員会・管理規定がない、診療記録管理士がいない、退院サマリーの作成状況が不明、内容チェック体制がない、等) |
診療録WGで問題点調査・報告書作成(14年9月) 診療記録保管管理委員会の設置 診療記録管理保管規則の制定 退院サマリーの作成状況調査(14年8月~) 診療記録管理室の機能拡充(15年4月~):退院患者データベース作成、退院カルテチェック、他 |
14 | 医師の学会出席後の復命書未提出が多い | 公費出張後には復命書を提出するように指導。 |
15 | 図書室の管理運営体制が不十分 | 図書委員会の見直し。図書整理・案内表示作成。図書購入手続きの明瞭化。 |
16 | 臨床検査作業手順書がない | 検査科各部門で作業手順書作成。 |
17 | 病理CPC記録簿がない | CPC開催記録を作成。 |
18 | 薬剤科業務に関しての問題点 |
夜間体制について連携が出来るよう改善 病棟薬剤保管見直し(棚卸時期、看護科との連携) |
19 | 手術室運営体制が不十分(運営規程・入退室手順がない、麻酔覚醒回復手順がない) | 手術室運営規程、入退室手順、麻酔覚醒回復手順の作成・見直し |
20 | 輸血血液保管体制の確認 | 検査科輸血担当者による病棟巡視。 |
21 | 院内感染防止のための体制が不十分。 |
清潔/不潔物品をきちんと区別し、ナースステーション・処置室の整理整頓を実施。 ペーパータオルホルダーの増設。 研修会(感染防止マニュアル説明会)を実施 |
22 | 救急カートの内容チェック | 内容チェックリストを作成。病棟の常置場所検討。 |
(第4領域 看護の適切な提供)
23 | 看護部門の夜間組織体制が明確でない | 夜間の体制について、組織図に明確に記載。 |
---|---|---|
24 | 権限の委譲に不明確な点がある(休日代行業務マニュアルがない) | マニュアルを作成し、権限の委譲について明確にした。 |
25 | 看護記録の充実 | 看護計画の評価、修正・見直しの記載、質向上 |
26 | 看護の継続性が不十分。 | 退院後の生活を配慮した計画立案。地域連携室を介しての外部機関との連携(15年4月~) |
27 | 看護職員の能力評価ツールがない | 看護職員の能力開発・評価プログラムの作成 |
(第5領域 患者の満足と安心)
28 | 入院案内の内容が古く現実にそぐわない |
入院案内WGを中心に改訂(平成15年2月)。 患者の意見を述べる機会があることを明記した。 |
---|---|---|
29 | 患者の声をきき、運営に反映していく体制が不十分 |
投書箱の増設(各階1ヵ所、その他玄関、外来部門など)。投書への対応手順作成し週1回回収。 患者満足度調査の実施。 |
30 | インフォームドコンセントについての徹底 |
各診療科へ繰り返しお願い (入院診療計画書の記載、インフォームドコンセント内容の診療録への記載、等) |
31 | 患者のプライバシー保護が十分でない |
各病棟における面談室の確保 患者情報取扱への配慮教育(説明会を通じて説明) ナースステーションホワイトボード利用の見直し 診療室中待合室の廃止(一部を除く) 透析室入口にロールアップカーテン設置 図書室シュレッダー購入 患者検体搬送用容器導入(サプライ)。搬送時注意を周知(見えないように) 公衆電話BOX(囲い)設置 |
32 | 患者逝去時の対応の見直し | 霊安室利用の見直し(1室とする)・整理整頓 |
33 | 栄養管理室 運営体制等の見直し |
栄養基準の改訂(5訂) 選択メニューを週1回より2回へ(15年1月~) 衛生管理体制の見直し・業務手順等の改善。 厨房内の動線見直し、機器配置換・シンク増設。 食器抜き取り検査の実施 |
34 | 待ち時間短縮のための努力 |
外来待ち時間調査及び結果解析(平成14年10月) →患者満足度調査に移行予定 院外処方導入、検査科採血スタッフ増員・テレビ配置 |
35 | 院内環境整備体制が確立していない | 責任者による定期的巡視の開始(15年2月~) |
36 | 病院案内掲示が不十分 |
院内掲示WGにより検討・改善活動実施 各診療科・各部門の責任者氏名表示 院内外の案内掲示の大幅な見直し(百カ所以上) 掲示板の整理整頓・増設(管理者を定める) 1階総合案内の場所を明確にした |
37 | 分煙への配慮が不十分な点がある |
売店でのタバコ販売中止(平成13年度~) 院内分煙の徹底(1、2、3、5階喫煙室以外は禁煙) 院外の喫煙場所の廃止(吸い殻入れ撤去) 各喫煙室の換気状況確認、清浄器交換。 職員への周知活動。 |
38 | 患者の安全体制への取り組みが不十分 |
患者利用備品(車いすなど)の定期点検開始 病棟などの整理整頓(廊下に物を置かない、等) 各種段差等の解消(整備係・整備カルテ) トイレ呼出ボタンの位置及び対応の手順確認 |
39 | 医療廃棄物の取扱いについて、病棟での一時保管がみられる。 | 医療廃棄物回収方法の見直し・回収予定時刻表の作成配布。各種ゴミ箱を定位置にきちんと置く(清潔不潔の区別、分別の徹底) |
40 | 災害発生時の対応が不十分 |
防災訓練への地域住民の参加(平成15年3月) 病棟における緊急時(昼間、夜間)対応について明確に表示(病棟非常口の開錠方法、連絡方法等) |
41 | 大規模災害時に対する備蓄(医薬品、水、食料など)がない | 災害拠点病院なので現在備蓄倉庫の検討中。平成15年度から16年度にかけて整備予定。 |
(第6領域 病院運営管理の合理性)
42 | 病床管理体制の見直し |
情報を看護科に一元化。 入退院委員会新設。 有効利用のために14年8月に病床再編を実施。 |
---|---|---|
43 | 年次保守計画、施設整備運営マニュアルがない | それぞれ整備係で新たに作成。 |
44 | 医療ガスの管理体制が不十分。医療ガス安全管理委員会がない(法律上必要)。 |
医療ガス安全管理委員会の新設 病棟の酸素ボンベの保管改善(専用容器を利用) |
45 | 医療機器の保守点検体制が不十分。(臨床工学技士がいない、ME庫が有効活用されていない) |
医療機器の簡便な点検マニュアル作成。 臨床工学士配属(看護科兼任、平成15年4月より2名)。MEセンターの有効活用開始。 |
46 | 医療事故防止への体制の徹底 |
使用済み針の取扱徹底。 廃棄針BOXのリユース廃止。 医療廃棄物の取扱等の見直し・改善。 教育研修の実施(14年9月、15年3月)。 リスクマネジメント部会(月1回)、医療事故防止対策委員会(年4回)の開催。 |
6. 感染症対策への取り組み
院内感染対策として、毎月第2木曜日に院長を委員長とする院内感染対策委員会を開催し、細菌の検出状況や環境調査の定期報告をするとともに、職員を対象に院内感染対策の研修を2回実施した(7月3日、3月11日)。
そのうち3月の研修会では、講師の土井先生に院内病棟を実際にまわってもらい現場で指導をうけた。その他、主な活動は次の通り。
- 術前術後患者のICU搬送に関する手順策定、ICUのレイアウト見直し
- 職員へのインフルエンザ予防接種実施
- バイオテロに備えての院内体制の確認
- 消毒薬(アルコール、ゲル)の検討
- 輸液ルート(IVHカテーテル、三方活栓)の検討
- 針刺し事故時における対応手順マニュアルの改訂
7. 院内事故防止への取り組み
医療事故を未然に防ぎ質の高い医療を目指すために、医療事故防止対策委員会、リスクマネジメント部会が年度を通して活動を行い、収集されたヒヤリハット事例の原因分析・防止対策及び体制の改善を図った。その他、主な活動は次の通り。
- 職員対象の研修会を下記テーマで2回実施した。
- 9月28日:
与薬(注射と内服)と転倒・転落事故の発生要因と対策
川村 治子教授(杏林大学保健学部) - 3月4日:
リスクマネジメントの基本
甲斐由紀子ジェネラルリスクマネージャー(宮崎医大医療安全管理部)
- 9月28日:
- リストバンドの導入(平成14年1月15日から)
- 県立病院における医療事故対応の方向性についての検討
- 造影CT・MRI検査の問診票の提出方法、様式変更(平成14年11月から)
- 外来における患者急変時の対応手順の検討
- 医療事故、アクシデント事例発生時の伝達方法の見直し
8. 院外処方への取り組み
院外処方箋の発行は、第一期として、平成13年10月3日から、心療内科、精神科、小児科、産科、婦人科、耳鼻咽喉科の6診療科、第二期として、平成14年1月16日から、内科、神経内科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、放射線科、麻酔科の10診療科で実施し、全面発行となった。
平成14年度の状況は、院外処方箋発行枚数が108,407枚で、月平均9,033枚となり、平日の外来受診日の院外処方率は99%以上で順調に推移している。
また、平成14年2月から、患者サービスの一環として、薬剤師による入院患者への服薬指導を開始し、平成14年度は主として3階東・4階東・4階西病棟の退院患者に対し、357件の指導を実施した。
9. クリニカルパス導入普及への取り組み
医療の質向上、患者さんの満足度向上のために、多くの病院で「クリニカルパス」を導入する動きが活発化している。当院でもクリニカルパスは利用されているが数はまだ少ない。今後パスを普及推進していく必要がある。
平成15年2月現在、当院で作成利用されているパスの現況は下記の通り。
内科 | 糖尿病教育入院、ペースメーカー挿入術、ルーチン心臓カテーテル検査、ルーチンPTCA、急性心筋梗塞(directPTCA)、急性心筋梗塞(PTCA) |
---|---|
外科 | 鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術 |
整形外科 | 股関節手術、大腿骨頸部骨折、アキレス腱断裂 |
脳神経外科 | 慢性硬膜下血腫手術 |
耳鼻咽喉科 | 扁桃摘出術、鼻腔・副鼻腔術後、鼓室形成術後、頭頸部術後 |
放射線科 | 胃ポリペクトミー |
(病院機能評価委員会・クリニカルパス研究会まとめ)
さらに、日南病院にはこれまで職種を越えたパスに関する勉強会がなかったため、平成14年秋に5名の世話人(医師、看護師、栄養士)を中心に、パスについての勉強を行い理解を深めていくという趣旨でクリニカルパス研究会が発足した。
これまで3回の研究会を当院職員に広く呼びかけ開催し、多職種(医師、看護師、栄養管理、薬剤、検査、放射線、医事、他)メンバーが集まり活発な議論がなされ、その成果はより良いパス作りに反映され、質の高い医療提供への一助となっている。
日時 | テーマ | 発表者 | 参加者 |
---|---|---|---|
2002年12月17日 | 扁桃摘出術のパス |
竹中 美香副医長 (耳鼻咽喉科) |
53名 |
2003年1月10日 | クリニカル・パスの現況と今後の動向について |
中島 守氏 (エーザイ(株)医療システム情報部部長) |
55名 |
2003年3月6日 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術のパスについて |
冨田 裕二医長(外科) 岩崎 利恵看護師(3東) |
40名 |
10. その他の患者サービスへの取り組み
(1) 外来ボランティアについて
本病院における患者サービスの充実を図るため、外来ボランティアの導入を行った。
ボランティアに活動の場を提供することにより、患者サービスの向上、病院のイメージアップ、地域にひらかれた病院を目指す。
- ボランティアの人数
4人 - ボランティアの導入日時
平成13年7月16日から - 活動日時
月曜日から金曜日の午前中 - 主な活動内容
エントランスホール周辺での患者さんの受付手続きの介助や診療科への案内
体の不自由なお年寄り等の車椅子乗降、移動の介助等
(2) エントランスホール等の各種展示
展示内容 | 展示期間 | 備考 |
---|---|---|
2002年「広島東洋カープ」サイン展 | 14.4.1~14.12.20 | |
「看護の日」ナイチンゲール像、花飾り | 14.5.9~14.5.15 | 看護自治会 |
宮川章子氏「ちぎり絵展」 | 14.6.24~15.8.1 | 3回に分けて開催 |
七夕飾り | 14.6.27~14.7.7 | 栄養管理係 |
「宮崎国際音楽祭」記念写真展 | 14.7.4~14.7.22 | |
新穂利宏氏「第2回そこへんたいのスケッチ展」 | 14.10.8~14.11.8 | |
生活習慣病パネル展「肥満」 | 15.2.3~16.3.31 | 宮崎医大生 |
2003年「広島東洋カープ」サイン展 | 15.2.14~15.12.20 | |
長友高弥氏 寄贈絵画「母と子-ランス大聖堂にて」展示 | 15.3.17~ |
(3) 院内イベント
入院患者の生活に変化を持たせ、より快適な入院生活を送ってもらうために、次の企画を実施した。
イベント内容 | 開催日 | 備考 |
---|---|---|
第1回ハーモニカ演奏会 | 14.6.20 | 3階東病棟 |
第1回ハーモニカ演奏会 | 14.10.22 | 4階東・西病棟 |
ふれあい看護体験の日 | 14.7.25 | 学生 約30名参加 |
第4回県立日南病院祭 | 14.11.17 | 患者・家族等 約1,500名参加 |
南睦会文化祭 | 14.11.17~18 | 講堂 |
県立日南病院クリスマスコンサート | 14.12.20 | 患者・家族等 約200名参加 |
(4) 栄養管理係における患者サービス
栄養管理係は、入院患者さんの一日も早い回復のため、食を通じて治療に関わっている。
現在4名の管理栄養士を中心に、次のような取組を行っている。
- 平成10年7月より適時適温給食が導入されて好評を得ている。
- 入院患者さんに季節感や祝祭日を少しでも喜んでいただこうと、行事食や手作りのメッセージカードを提供している。
- 来院された方々に、食事のこと、栄養のこと、健康情報などを楽しいイラストや折り紙、切り絵などを使って分かりやすく興味を持って見ていただけるよう展示している。 また、前日の食事を展示している(1階 栄養指導室前)
- 平成12年7月から毎週金曜日の朝食と昼食に選択メニューを実施していたが、15年2月からは水曜日と金曜日の週2回実施している。
- エネルギー制限や塩分制限の患者さんには、イラスト入りのメッセージカードとともに管理栄養士が訪問して、食事内容について説明し理解を求めている。
- 平成14年9月より糖尿病患者に対してクリニカルパスが開始された。
11. 経費節減への取り組み
経営改善検討委員会の費用節減等検討部会の中で、より具体的な経費節減の取り組みに向けて「ワーキンググループ」を設置し、職員への意識啓発を図るため「ニュース」を発行した。
前年に引き続き院内印刷機の活用及び両面コピーの推進を図り、経費節減への取り組みを行った。
12. 設備カルテの発行状況
整備係では、平成11年度から将来の設備トラブルに備えて、あるいは早期解決を目的として、設備トラブルの原因を究明し講じた対策を「設備カルテ」として残している。
平成14年度の実績は、69件であった。
13. TQM活動
(1) 取組内容等
県立病院の職員が県立病院の診療機能の充実、患者サービスの向上、経営改善につながる自主的な調査研究活動(TQM活動)に当病院からも2チーム(15名)が参加し、特色あるテーマで活発な活動を行った。
また、平成15年3月14日には、各サークルが行ってきた活動を広く職員に知ってもらうことと、日南病院の代表選考会を兼ねて、院内でTQM活動成果発表会を開催した。
TQM活動のテーマ、チーム等は次のとおり。
- テーマ:高度で多岐にわたる臨床検査をいかに効率よく迅速に実施するか
チーム名:きさぬきふぁみりーず
代表 臨床検査科 医師 木佐貫篤 (構成員 5名)
活動内容:高度で多岐にわたる臨床検査をいかに効率よく迅速に実施するため、一部の特殊な検査について3つの検査室を1つのユニットとして考えることによって、経費節減効果、検査日数の短縮、検査技師の有効活用等ができるか検討を行った。 - テーマ:選べる看護体制「交代制勤務の検討」
チーム名:チャレンジ2002
代表 看護科 主任看護師 田中茂子 (構成員 10名)
活動内容:将来にわたって看護職に求められる業務の増大が見込まれることから、3交代制と2交代制を比較検討し効果的な勤務体制について検討を行った。
(2) 県大会
更に、平成15年3月26日に宮崎市で開催された県大会に日南病院の代表として参加し、「きさぬきふぁみりーずチーム」が優秀賞に、「チャレンジ2002チーム」が奨励賞に輝いた。
TQM活動とは?
Total Quality Managementの略語で、もともとは企業の製品及びサービスの品質と競争力を向上させるため社会的レベルで行われる取り組み。
ここでは、県立病院の診療機能の充実や患者サービスの改善等、経営改善に向けて、職員の皆さんが自主的に調査研究することをTQM活動と呼んでいる。
14. 病院だよりの発行状況
県立日南病院では、院内情報誌として「病院だより」発行している。
平成14年度の発行状況は、次のとおり。
号数 | 発行日 | 掲載内容 |
---|---|---|
27 | 14.5.31 |
・躍動の年 ~新しき職員を迎えて~ (院長) ・備えあれば憂いなし~総合防災訓練の実施~ (主幹兼整備係長 新穂利宏) ・病棟紹介コーナー 「6階西病棟」 ・看護研究発表会について (看護師自治会教育委員長 末留孝子) ・異動のお知らせ ・安全運転に努めましょう ・TQM活動成果発表会を開催 (庶務係長 松野春行) |
28 | 14.8.31 |
・随想~またまた猫のお話 (事務局長 本部和敏) |
29 | 15.1.15 |
・年頭所感~”堅実”をキーワード(合い言葉)に~ (院長) ・病院の理念・患者憲章・看護科理念について ・白内障のはなし (眼科 久高宏徳) ・リスクマネージメント研修について (看護師自治会長 野辺子つる) ・患者さんの意見~「こう変えました」(「設備カルテ」から) (整備係 新穂利宏) ・全国自治体病院協議会欧州医療施設視察記 (院長) ・第4回県立日南病院祭 (病院祭実行委員長 久保田裕一朗) ・入院患者さんのために~初めてのクリスマスコンサート~ ・新任ドクターの紹介 |
30 | 15.3.31 |
・随想~病院機能評価を受審して~ (総看護師長 伊藤順子) ・海外視察派遣研修をおえて (薬剤科 平田雅昭) ・健康づくりのすすめ (栄養管理係) ・「クリニカルパス研究会」がんばってます (臨床検査科 木佐貫 篤) ・臨床倫理「ベッドサイド・カフェ」を開催して (緩和ケアグループ) ・第3回オストメイト交流会 (3階東病棟ストーマグループ) ・投書箱の意見 ・交通安全について ・院内顕彰について |
15. 県立日南病院の研究支援ネットワークについて
当病院は、インターネットを通じて研究支援ネットワークを構築している。
インターネットへは現在OCNエコノミーを用いた 128KBPS のスピードで常時接続を行っている。
インターネットと研究支援LANの間には、ファイヤーウォールを設置して不正アクセスに備えている。
国内文献検索のために、科学技術振興事業団の「JOIS」を契約し迅速な情報検索体制を整えている。
また、各医師公舎にもLANを構築し、インターネットの常時接続環境を整備している。
今後は、日南地区の光ファイバー化に合わせ、100Mbps級の光高速インターネットへの整備構想も計画されている。
16. 県立日南病院ホームページについて
本院情報公開のさらなる発展を期して、平成13年12月よりホームページの供用を開始した。
http://www.pref.miyazaki.jp/fukushi/nichinan-hp/
17. 南睦会活動状況
職員の親睦を図るため「南睦会」を組織しており、各種レクリェーション、交流会、職員及び家族が参加する文化祭等を開催し、売店の運営等の事業を展開している。
平成14年度の「南睦会」の開催行事は、次のとおり。
年月日 | 行事 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|
14.11.17~18 | 文化祭(職員・家族) | 日南病院講堂 | 病院祭に合わせて開催 |
14.12.13 | 交流会 | ホテルシーズン日南 |
この他に、硬式テニス他の運動部、華道他の文化部、南那珂地区球技大会、全管球技大会、県立病院職員レクレーション大会等の助成を行っている。